Japanese
English
短報
慢性疼痛と無けいれん通電療法
Modified Electroconvulsive Therapy in Chronic Pain
野田 寿恵
1
,
木村 哲也
1
,
坂本 英史
1
,
矢吹 すみ江
1
,
秋山 剛
1
Toshie NODA
1
,
Tetsuya KIMURA
1
,
Hideshi SAKAMOTO
1
,
Sumie YABUKI
1
,
Tsuyoshi AKIYAMA
1
1関東逓信病院精神科
1Department of Psychiatry, Kanto Teishin Hospital
キーワード:
Modified electroconvulsive therapy
,
Chronic pain
Keyword:
Modified electroconvulsive therapy
,
Chronic pain
pp.293-295
発行日 1999年3月15日
Published Date 1999/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904732
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国際疼痛学会では,痛みを「組織の実質的あるいは潜在的な損傷を伴い,このような障害を表す言葉を使って述べられる不快な感覚,情動体験」と定義している11)。痛みに伴う情動とは,主に抑うつ,焦燥,不安などであり,慢性疼痛の患者に抑うつ症状が出現した場合,しばしば抗うつ剤などの向精神薬が投与される。また,うつ病が合併した慢性疼痛に対して,電気けいれん療法が有効であったとする報告が,1946年以来いくつかみられる8)。今回我々は,ペインクリニック科での様々な疼痛治療や向精神薬の投与で,症状の改善をみなかった慢性疼痛の症例7例に対して,無けいれん通電療法modified electroconvulsive therapy(mECT)を本人の告知同意のもとに施行した。7例の中で,改善が得られた症例と改善が得られなかった症例の臨床的特徴を比較し,慢性疼痛に対する無けいれん通電療法の適応について若干の考察を加えた。
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