Japanese
English
研究と報告
通電療法により慢性疼痛が改善したうつ病の1例
A Case of Chronic Pain with Depressive Disorder who Showed Good Response to Electroconvulsive Therapy
漆原 貴子
1
,
功刀 浩
1
,
池淵 恵美
1
,
広瀬 徹也
1
Takako URUSHIBARA
1
,
Hiroshi KUNUGI
1
,
Emi IKEBUCHI
1
,
Tetsuya HIROSE
1
1帝京大学医学部精神神経科学教室
1Department of Psychiatry, Teikyo University School of Medicine
キーワード:
Modified electroconvulsive therapy
,
Chronic pain
,
Depressive disorder
,
Cerebral blood flow
,
Single photon emission computerized tomography
,
SPECT
Keyword:
Modified electroconvulsive therapy
,
Chronic pain
,
Depressive disorder
,
Cerebral blood flow
,
Single photon emission computerized tomography
,
SPECT
pp.45-49
発行日 2001年1月15日
Published Date 2001/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902355
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【抄録】 慢性疼痛は,しばしば難治性であり,麻酔科的治療のほか抗うつ薬,認知行動療法,力動的精神療法などが試みられる。今回我々は,通電療法によって慢性疼痛が著明に改善したうつ病の1例を経験したので報告する。
症例は65歳の主婦。59歳頃より職場のストレスを契機にうつ病を発症し,慢性化していた。家庭内のストレスもあり,下肢の疼痛「足に釘が刺さったような痛み」を生じ,強い苦痛を訴えるようになった。他院で抗うつ薬が試みられたが,明らかな効果はなかった。しかし,無けいれん性通電療法を行ったところ,うつ病症状の軽減とともに疼痛の訴えがほぼ消失した。通電療法前後のSPECT所見では,脳血流量の著明な増加が認められた。本症例は,うつ病に伴った慢性疼痛に対し通電療法が有効である可能性,そのメカニズムとして脳血流の改善が関与している可能性を示唆する。
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