Japanese
English
研究と報告
Lafcadio Hearnに認められた異常心理と自己治療—百年後の日本からの視点
On the Psychological Abnormality and SelfCure of Lafcadio Hearn: viewed from Japan 100 years after his stay
遠藤 みどり
1
Midori ENDO
1
1島根医科大学医学部心理学
1Department of Psychology, Shimane Medical University Faculty of Medicine
キーワード:
Pathography
,
Lafcadio Hearn
,
Centenary
Keyword:
Pathography
,
Lafcadio Hearn
,
Centenary
pp.283-292
発行日 1999年3月15日
Published Date 1999/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904731
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
【抄録】 Lafcadio Hearn(小泉八雲)は1890年に来日し,後の旧制松江中学・五高・東大・早大で教鞭をとった。彼には被害妄想的言動があったことが知られているが,その病跡に関しては未だ報告に乏しい。しかし彼の生活歴には,幼時のPTSDや多文化間での軋轢など,今日と相通ずる問題が多々認められる。その履歴や家族歴からすれば,彼には今日ならば境界型人格障害と診断されても不思議でない時期があったと思われるが,晩年は明治日本の家長として社会的責任を立派に全うしている。最近数年間に新たに明らかになった資料を加えて眺めると,彼の人格の統一をたすけた環境上の要因がかなり詳らかになり,精神保健上有益な示唆が得られると思われた。
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.