Japanese
English
展望
躁うつ病(双極性障害)における脳画像
Brain Imaging in Bipolar Disorder
加藤 忠史
1
Tadafumi KATO
1
1東京大学医学部附属病院精神神経科
1Department of Psychiatry, Faculty of Medicine, University of Tokyo
キーワード:
Bipolar disorder
,
Magnetic resonance spectroscopy
,
Neuroimaging
,
Schizophrenia
Keyword:
Bipolar disorder
,
Magnetic resonance spectroscopy
,
Neuroimaging
,
Schizophrenia
pp.912-922
発行日 1997年9月15日
Published Date 1997/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904392
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■はじめに
Kraepelin以来,内因性精神病の中に精神分裂病と躁うつ病の両極の存在を認めるのが一般的である。いかなる視点からこれらを二分するかについては諸説あるが,周期性に全体的な機能の変調を来す躁うつ病と,慢性的に特定の機能系が障害されている精神分裂病,という大枠でとらえられよう。また,生物学的基盤としては,前者では分子・細胞レベルの異常,後者では神経回路網・機能系レベルの異常が想定される。
これまで,CT(computed tomography),PET(positron emission tomography),SPECT(single photon emission computed tomography),MRI(magnetic resonance imaging),MRS(magnetic resonance spectroscopy)など,様々な方法を用いて,多くの躁うつ病(双極性障害)における脳画像研究が行われてきた。しかしながら,双極性障害における脳画像所見の中には,精神分裂病と共通のものも多く,その意義については議論のあるところである。
本稿の目的は,双極性障害における脳画像所見について,精神分裂病における所見と比較しながらまとめることを通して,脳画像という生物学的視点から,双極性障害の生物学的基盤をとらえ直すことである。
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