Japanese
English
研究と報告
摂食障害における31P-MRS
31P Magnetic Resonance Spectroscopy in Eating Disorders
加藤 忠史
1
,
高橋 三郎
1
,
塩入 俊樹
1
,
村下 淳
1
,
犬伏 俊郎
2
Tadafumi KATO
1
,
Saburo TAKAHASHI
1
,
Toshiki SHIOIRI
1
,
Jun MURASHITA
1
,
Toshiro INUBUSHI
2
1滋賀医科大学精神医学講座
2滋賀医科大学分子神経生物学研究センター
1Department of Psychiatry, Shiga University of Medical Science
2Morecularneurobiology Research Center
キーワード:
Magnetic resonance spectroscopy
,
Anorexia nervosa
,
Bulimia nervosa
,
Brain atrophy
Keyword:
Magnetic resonance spectroscopy
,
Anorexia nervosa
,
Bulimia nervosa
,
Brain atrophy
pp.83-87
発行日 1994年1月15日
Published Date 1994/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903593
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【抄録】 摂食障害患者5名について,脳の31P-MRS(磁気共鳴スペクトロスコピー)測定を行った。内訳は,anorexia nervosa(AN)1名,AN+BN(bulimia nervosa)3名,特定不能のeating disorder(ED)1名である。年齢の一致した正常被検者13名における平均値±2SD以内を正常値としたところ,異常値を示したものは正常者では13名中2名であるのに対し,患者では全例が何らかの異常値を示した。患者群ではリン酸ジエステル(PDE),クレアチンリン酸,無機リン酸のピーク面積,β-アデノシン3リン酸およびリン酸モノエステルの化学シフトに異常値がみられた。治療前の患者ではPDE(リン酸ジエステル)が有意に高く,治療後には正常値以下に低下していた。これらの結果は,神経性無食欲症における脳萎縮の原因として,神経細胞の変性が関係していることを示唆するかもしれない。
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