Japanese
English
特集 統合失調症の治療ゴールをめぐって
脳画像研究の臨床応用可能性
Possible Clinical Application of Neuroimaging Research Findings in Schizophrenia
高橋 努
1
,
鈴木 道雄
1
Tsutomu Takahashi
1
,
Michio Suzuki
1
1富山大学大学院医学薬学研究部神経精神医学講座
1Department of Neuropsychiatry, University of Toyama Graduate School of Medicine and Pharmaceutical Sciences, Toyama, Japan
キーワード:
Neuroimaging
,
Early intervention
,
At-risk mental state
,
Schizophrenia
,
Magnetic resonance imaging
Keyword:
Neuroimaging
,
Early intervention
,
At-risk mental state
,
Schizophrenia
,
Magnetic resonance imaging
pp.439-445
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205816
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抄録 近年,統合失調症の治療ゴールを考える上で,精神病症状の寛解のみではなく機能的転帰が重要視され,早期介入の効果などが注目される。一方,統合失調症の臨床において,脳画像検査の役割は主に器質因の除外であり,診断や治療効果の判定に有用とは言えない。しかし,磁気共鳴画像などによる脳画像検査が将来的には統合失調症の臨床に応用可能であることを示唆する研究報告が増えつつある。たとえば,統合失調症でみられる脳形態変化は発症に先立ち存在し,それらの一部は将来の臨床経過の予測にある程度役立つ可能性がある。また統合失調症の病初期にみられる進行性の脳形態変化は,臨床症状の形成や社会機能悪化とも関連すると考えられ,病初期における治療標的として有用かもしれない。これらの研究知見は,特に統合失調症の長期的転帰改善を目指す早期介入の分野において今後の臨床応用が期待される。
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