Japanese
English
研究と報告
MRIを用いた精神分裂病患者の脳の形態研究—体積計測による検討
MRI Volume Measurements of the Brain in Schizophrenia
染谷 康宏
1
,
大久保 善朗
2
,
阿部 哲夫
1
,
浅井 邦彦
1
,
融 道男
2
Yasuhiro SOMEYA
1
,
Yoshirou OKUBO
2
,
Tetsuo ABE
1
,
Kunihiko ASAI
1
,
Michio TORU
2
1静和会浅井病院
2東京医科歯科大学神経精神医学教室
1Asai Hospital
2Department of Neuropsychiatry, Faculty of Medicine, Tokyo Medical and Dental University
キーワード:
MRI
,
Schizophrenia
,
Hippocampus
Keyword:
MRI
,
Schizophrenia
,
Hippocampus
pp.55-61
発行日 1996年1月15日
Published Date 1996/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904021
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【抄録】精神分裂病患者25例と健康ボランティア20例に,3次元MRIを用いて3mm厚3mm間隔で全脳を覆うT1強調画像を撮影し脳内各部位の詳細な体積測定を行った。その結果,(1)左右の側脳室,第三脳室容積が,対照群に比較し分裂病群で有意に大きかった。(2)左右の前頭葉,左右の尾状核体部,右側頭葉体積には両群に有意な差を認めなかった。(3)左側頭葉,左右の海馬体積が,対照群に比較し分裂病群で有意に小さかった。(4)陰性症状と分裂病群の右側頭葉体積に負の相関(r=-0.41)が認められた。以上より分裂病群では,海馬,脳室,左側頭葉の形態異常が認められ,陰性症状の発現には,それに加えて右側頭葉の形態異常が関与していると考えられた。
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