今月の臨床 これを読めばすべてわかる―最新の産婦人科超音波診断
VI 新しい超音波技術の展望
VOCAL法を用いた胎盤体積・腫瘍体積の計測
亀井 良政
1
1東京大学医学部附属病院周産母子診療部
pp.789-791
発行日 2010年4月10日
Published Date 2010/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102375
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近年の超音波診断装置における技術革新は目覚しく,リアルタイムにvolume dataを取得し高速に3D画像を構築可能な4Dプローブが開発されている.この4Dプローブを使用することにより,従来では得られなかったリアルタイムでの直交3断面画像表示,rendering画像表示,プローブ面と平行の断面表示,直交3断面それぞれに厚みを持たせた画像の表示,胎児心臓の4D動画表示,平行面の多断面表示などの構築が可能となった.この3D超音波検査法の技術では2D画像よりも多くの情報を表示できるため,より正確な診断が可能となった.特に体積の診断には有用であるために,これまで妊娠初期の胎嚢や卵黄嚢,胎児,さらには胎盤の体積や胎盤内の血管分布などの測定がこの3D超音波検査法を用いて行われ,周産期予後との比較が検討されている.このように,3D超音波検査診断法は,今や産科における胎児胎盤診断に有用なツールとして注目されており,本稿では,これらの報告について概説し,今後の産婦人科領域における3D超音波検査法の臨床的有用性について考察したい.
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