Japanese
English
研究と報告
精神分裂病患者のサッケードによる検討
A Combined Study of Visually-Guided Saccade and Memory-Guided Saccade in Schizophrenia
清水 隆史
1
,
桐野 衛二
1
,
島崎 正次
1
,
新井 平伊
1
,
井上 令一
2
Takafumi SHIMIZU
1
,
Eiji KIRINO
1
,
Masaji SHIMAZAKI
1
,
Heii ARAI
1
,
Reiichi INOUE
2
1順天堂大学医学部精神医学教室
2財団法人順天堂精神医学研究所
1Department of Psychiatry, Juntendo University, School of Medicine
2Juntendo Institute of Mental Health
キーワード:
Saccade
,
Memory-guided saccade
,
Schizophrenia
,
Hypofrontality
Keyword:
Saccade
,
Memory-guided saccade
,
Schizophrenia
,
Hypofrontality
pp.385-393
発行日 2001年4月15日
Published Date 2001/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902404
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【抄録】 衝動性眼球運動(視覚性サッケード,記憶誘導性サッケード)から精神分裂病の病態を検討した。22例の精神分裂病患者を対象とし,サッケードの振幅・潜時・最大角速度をパラメータとし,記憶誘導性サッケードでは遅延期間内サッケードの頻度,予告刺激に対するサッケードの頻度を解析した。視覚性サッケードでは健常者と比較して低振幅であったほかには有意な差は認めなかった。記憶誘導性サッケードでは記憶誘導性サッケードの頻度が少なく,予告刺激に対するサッケードの頻度が多かった。パラメータでは振幅が小さく,潜時の延長が認められた。これらより精神分裂病患者ではサッケードの適切な発現と抑制が困難となっており,これらには前頭葉の機能低下が原因している可能性が示唆された。
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