「精神医学」への手紙
季節性感情障害(夏季型)は双極性障害か
山口 成良
1
,
望月 崇行
1
1松原病院
pp.194
発行日 2013年2月15日
Published Date 2013/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405102390
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〈症例〉 本誌に発表した「季節性感情障害のsummer depressionの1症例」であるが,最近4年間に毎年夏季(6~9月)に大うつ病エピソードを繰り返し,抑うつ気分,意欲低下,食欲減退,不眠などメランコリー型の特徴を示していた。すなわち,秋から来年春にかけて外来に通院してSSRIと三環系・四環系抗うつ薬を規則的に服用し,6~10月は外来に来なくなり,家にひきこもって抗うつ薬も服用していない状態であった時点で,本誌3)に報告した。
その後病前性格として,会社では社交的であったという生活歴を参考にして,双極Ⅱ型障害を考え,Ⅹ+8年12月から気分安定薬(mood stabilizer)として炭酸リチウム400mgを1日1回,従来投与していた抗うつ薬に上積みして投与した。Ⅹ+10年夏季から家にひきこもることなく,1年を通じて外来受診を続け,抗うつ薬を漸減し,Ⅹ+12年10月現在,抗うつ薬はすべて抜去し,炭酸リチウム400mgと睡眠薬の投与だけとなっている。不十分ながら,家事をしたり,犬の散歩をしたりしている。
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