Japanese
English
短報
覚醒剤と有機溶剤の交代乱用の1例における精神病症状の比較
Comparison of Psychotic Symptoms in a Case with Alternating Abuse of Methamphetamine and Volatile Solvent
浅見 隆康
1,2
,
宮本 正典
1,2
,
町山 幸輝
3
Takayasu ASAMI
1,2
,
Masanori MIYAMOTO
1,2
,
Yukiteru MACHIYAMA
3
1伊勢崎市民病院精神科
2現,群馬県立佐波病院
3群馬大学医学部神経精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Isesaki Municipal Hospital
3Department of Neuropsychiatry, Gunma University School of Medicine
キーワード:
Methamphetamine
,
Volatile solvent
,
Alternating abuse
Keyword:
Methamphetamine
,
Volatile solvent
,
Alternating abuse
pp.1203-1205
発行日 1994年11月15日
Published Date 1994/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903770
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覚醒剤精神病の成立過程においては,過去の有機溶剤乱用が少なからず影響を及ぼす可能性が示唆されている。小沼2)は,有機溶剤乱用歴を有する場合には,数回の覚醒剤の使用により精神病症状が出現する可能性があるという。また有機溶剤と覚醒剤を両者同時に使用した場合は,想像以上に激しい精神症状が出現する場合があるとも報告されている7)。したがって,覚醒剤精神病に及ぼす有機溶剤の影響は十分に考慮する必要があると思われる。今回,我々は,有機溶剤乱用の5年後に覚醒剤乱用を開始して早期に精神病を呈し,さらにその2年後に有機溶剤再乱用により精神病の再燃をみた症例を経験した。本症例の場合,覚醒剤乱用時における精神病症状と有機溶剤乱用時のそれとでは,少なからず相違がみられ,覚醒剤精神障害の成立過程における,覚醒剤と有機溶剤の相互作用を検討する上で,貴重な症例と思われたので若干の考察を加え報告する。
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