Japanese
English
研究と報告
一卵性双生児の双極性感情障害の一致例
A Concordant Monozygotic Twin Pair with Bipolar Disorders
森平 淳子
1
,
南光 進一郎
1
,
塚本 一
2
Junko MORIDAIRA
1
,
Shin-ichiro NANKO
1
,
Hajime TSUKAMOTO
2
1帝京大学医学部精神神経科
2吉祥寺病院
1Department of Psychiatry, Teikyo University School of Medicine
2Kichijoji Hospital
キーワード:
Bipolar disorder
,
Monozygotic twin
,
Concordance
,
Genetic factors
,
Environmental factors
Keyword:
Bipolar disorder
,
Monozygotic twin
,
Concordance
,
Genetic factors
,
Environmental factors
pp.43-48
発行日 1993年1月15日
Published Date 1993/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903378
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
【抄録】 双方ともに双極性感情障害を呈した一卵性双生児の症例を報告した。感情障害の亜型である双極性でも診断が一致し,またうつ状態の臨床像も著しく類似していたことは,感情障害の発病に遺伝的要因が強く関与することを示唆する。しかし,発病は妹が姉より10年早く,また姉には軽躁状態しか認められなかったのに対して,妹には躁状態が認められる点では異なっていた。この違いを来した要因は,発育段階での性格形成の違いに加えて結婚生活などの成人後の環境の違いであると考えられた。本症例の検討から,診断的には一致していても,個々人の発達における環境的要因が発病年齢,経過,重症度に大きく影響することが示唆された。感情障害のみならず機能性精神障害の発病には遺伝と環境が関与することが従来から主張されているが,重症度や経過にも環境要因が大きく関与することが確認された。
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.