Japanese
English
研究と報告
一卵性双生児における内因性うつ病の不一致例
A Case of Endogene Depression Observed in One of Monozygotic Twins
佐藤 讓二
1
,
新福 尚武
1
,
飯田 真
2
Joji Sato
1
,
Naotake Shinfuku
1
,
Shin Ihda
2
1東京慈恵会医科大学精神神経科教室
2東大分院神経科
1Dept. of Psychiat. and Neurol., The Jikei University School of Medicine
2Dept. of Neuropsychiat., Branch Hospital, Faculty of Med., University of Tokyo
キーワード:
Monozygotic twins
,
Endogenous depression
,
Melancholia type
,
Discordance
Keyword:
Monozygotic twins
,
Endogenous depression
,
Melancholia type
,
Discordance
pp.285-289
発行日 1981年3月15日
Published Date 1981/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203235
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抄録 一卵性双生児の片方のみに内因性うつ病を呈した症例について報告した。症例は女性で現在47歳である。うつ病を発症したのは妹であるが,姉も過去に一過性の神経症様症状を呈したことがあり,また本症例にも以前に神経症レベルのものと考えられる症状の出現がみられた。すなわち,この双生児は神経症については一致するが,内因性うつ病については不一致であった。この不一致の理由として,性格の違いおよび生活環境の違いをあげ,特に幼児期に形成された性格構造の相違を母との関係において検討した。また,姉は循環気質で社会的適応性に富み常識的な価値判断を有しているが,妹はメランコリー型で依存的,神経質な傾向がみられ,このメランコリー型が先鋭化することによって,うつ病が発症したと推察した。
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