Japanese
English
研究と報告
社会恐怖を呈した一卵性双生児―その症状転帰の類似性と相違性
A Twin Case of Social Phobia
尾鷲 登志美
1
,
上島 国利
1
Toshimi OWASHI
1
,
Kunitoshi KAMIJIMA
1
1昭和大学医学部精神医学教室
1Department of Psychiatry, Showa University School of Medicine
キーワード:
Social phobia
,
Monozygotic twin
,
SSRI
,
Cognitive behavioral therapy
Keyword:
Social phobia
,
Monozygotic twin
,
SSRI
,
Cognitive behavioral therapy
pp.65-71
発行日 2004年1月15日
Published Date 2004/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100416
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抄録
今回我々は,一卵性双生児の姉妹が同様の社会恐怖を呈した症例を経験したので,若干の考察とともにここに報告した。
本2症例では一卵性双生児である上に類似した生活史を有していた。両者ともに全般性社会恐怖を呈し,自己記入式評価尺度や社会機能から最重症に評価された。しかし,病前性格や発症年齢,治療導入までの期間,回避性人格障害の併存,発症契機,認知行動療法導入の有無が異なっており,同様の薬物療法を施行していたが,治療転帰が異なっていた。同一の遺伝子を所有し,重症度が同程度である社会恐怖に罹患した場合でも,その他の要因によって異なる治療経過,転帰をとることが示された。
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