Japanese
English
研究と報告
子どもの強迫神経症に関する1考察—森田理論の立場から
A Consideration of Obsessive-Compulsive Neurosis in Children: from the stand-point of Morita Theory
清水 健次
1
,
松本 英夫
2
,
大原 健士郎
1
Kenji Shimizu
1
,
Hideo Matsumoto
2
,
Kenshiro Ohara
1
1浜松医科大学精神神経科
2国立療養所天竜病院精神科
1Department of Neurology and Psychiatry, Hamamatsu University School of Medicine
2Department of Psychiatry, National Sanatorium Tenryu Hospital
キーワード:
Obsessive-compulsive neurosis
,
Child
,
Morita theory
,
Morita shinkeishitsu
Keyword:
Obsessive-compulsive neurosis
,
Child
,
Morita theory
,
Morita shinkeishitsu
pp.651-659
発行日 1992年6月15日
Published Date 1992/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903262
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【抄録】 DSM-Ⅲ-Rに基づいて,15歳以下の児童期に発症したと診断される12例の子どもの強迫神経症を対象にして検討した。巻き込みの程度に着目して症例を観察し,森田理論から説明を試みたところ,巻き込みがないかあっても軽度であり,森田理論で説明可能である群と,巻き込みを中等度以上認め,森田理論で説明できない群の2群に大きく分類された。そこで前者をA群,後者をB群として詳細に比較・検討した結果,以下の特徴が明らかになった。①森田理論で説明可能なA群は受診に至る経過がB群に比べて長く,発症の契機を有するものが多い傾向があった。②A群はB群に比べ第1反抗期を有するものが多かった。成人と同様な森田機制で説明されるA群には今後,森田療法に準じた対応が有効である可能性が示唆された。
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