Japanese
English
研究と報告
躁病者犯罪の行動特性—「早期活動型」と「活動延長型」
Manic Disorder and Crime:“type of early activity (E type)” and “type of prolonged activity (P type)”
早川 直実
1
,
影山 任佐
2
,
榎本 稔
2
Naomi Hayakawa
1
,
Jinsuke Kageyama
2
,
Minoru Enomoto
2
1八王子医療刑務所
2東京工業大学保健管理センター
1Hachiōji Medical Prison
2Tokyo Institute of Technology, Health Service Center
キーワード:
Manic disorder
,
Crime
,
Type of early activity
,
Type of prolonged activity
Keyword:
Manic disorder
,
Crime
,
Type of early activity
,
Type of prolonged activity
pp.1225-1230
発行日 1991年11月15日
Published Date 1991/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903148
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【抄録】 1981年から1989年までの9年間の関東C地方検察庁管内におけるすべての起訴前精神鑑定例,いわゆる簡易鑑定例620例のうち,躁うつ病例について資料をまとめ,躁うつ病例の犯行時刻について検討を試みた。躁うつ病の9年間の鑑定総数は24名で,鑑定総数に占める割合は約3%である。
犯行時刻について,躁状態とうつ状態とを比較すると,うつ状態での犯行時刻が比較的分散しているのに比べて,躁状態8名全例が,午前0時から正午までの間に犯行に着手していた。我々は,この午前0時から正午までの犯行について,前夜から就寝することなくなされた例を「活動延長型」(P type),いったん就寝し,覚醒してからなされた例を「早期活動型」(E type)と名づけ,分類したところ,「活動延長型」が3名,「早期活動型」が5名であった。「活動延長型」では,全例が自己の欲望を満たすために,無計画に犯行をなしており「早期活動型」では,全例が特定の人物に怨恨を抱き,報復目的の犯行をなしており,犯行形態に明らかに相違がみられた。
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