Japanese
English
研究と報告
院内断酒会における集団力動—小集団発達の見地から
Group Dynamics in the Self-Help Group of Alcoholics: from the viewpoint of “small group” development
寺岡 葵
1
,
坂梨 寿弘
2
,
久佐賀 寿美子
1
Aoi Teraoka
1
,
Toshihiro Sakanashi
2
,
Sumiko Kusaga
1
1寺岡葵精神科医院
2岡山家庭裁判所
1Teraoka Aoi Psychiatric Clinic
2Okayama Family Court
キーワード:
Alcoholism
,
Group dynamics
,
Group development
Keyword:
Alcoholism
,
Group dynamics
,
Group development
pp.1231-1239
発行日 1991年11月15日
Published Date 1991/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903149
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【抄録】 精神科診療所受診のアルコール依存症者を地域断酒会へいかに円滑に導入するかを目標に,1981年4月院内断酒会を始めた。毎月,第1土曜日に夜間の例会を開き,医師と看護者はオブザーバーとしての立場を堅持しながらの参加である。本会は現在まで,112回を迎えたが,これを「小集団」としてみると,回を重ねるごとに未熟な段階から次第に成長し,成熟過程をたどることが分かった。その過程は方向づけ段階(未熟,模索期),愛着段階(仲間意識の形成期),成熟段階(受容力増大期)などに分類された。この各段階の小集団の構成を具体的に提示し,小集団としての性格,凝集力,コミュニケーション構造やソシオメトリック構造,時間経過を分析し,治療者が,自助集団である地域断酒会の発展に寄与できる可能性とその役割について考察した。
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