Japanese
English
短報
口腔内限局の寄生虫妄想の1症例
A Case of Delusion of Oral Parasitosis
成瀬 梨花
1
,
野村 総一郎
1
,
落合 志保
1
,
山内 惟光
1
Rica Naruse
1
,
Soichiro Nomura
1
,
Shiho Ochiai
1
,
Tadamitsu Yamauchi
1
1藤田学園保健衛生大学病院精神医学教室
1Department of Psychiatry, Fujita Health University
pp.87-89
発行日 1991年1月15日
Published Date 1991/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902985
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
■はじめに
皮膚の異常感覚をそこに寄生する虫のためと感じ,訂正不可能な寄生虫罹患の確信を持つ病態は皮膚寄生虫妄想(Dermatozoenwahn)として広く知られている。これに対して内臓に寄生虫がいるという訴えは分裂病圏である場合が多いと言われている1)。一方,いわば皮膚と内臓の中間部位である口腔内に限局する寄生虫妄想の報告は稀である。今回我々は口腔内に限局した寄生虫妄想を有する症例を経験した。これを「口腔内寄生虫妄想」と命名し,その疾病論的位置づけと病態を論じ,併せて治療についても報告する。
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.