Japanese
English
症例報告
足蹠および口腔内に限局した扁平苔癬の1例
A case of lichen planus localized in soles and oral mucosa
井上 稲子
1
,
黒須 まゆみ
1
,
北島 康雄
1
Ineko INOUE
1
,
Mayumi KUROSU
1
,
Yasuo KITAJIMA
1
1岐阜大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Gifu University School of Medicine
キーワード:
扁平苔癬
,
シェーグレン症候群
,
自己免疫異常
Keyword:
扁平苔癬
,
シェーグレン症候群
,
自己免疫異常
pp.601-603
発行日 1996年7月1日
Published Date 1996/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901919
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49歳,女性.約8年前より両足底の痛みを伴う紅斑が出現した.近医で通院加療を行ったが,同部に潰瘍を形成し,安静時および歩行時の疼痛も増強したため,当科に紹介され,入院した.入院時,両足底に黄色調の厚い鱗屑が付着し,一部亀裂を伴う角化性紅斑局面を認めた.口腔内には頬粘膜にレース状の乳白色線条がみられた.組織所見では角質増殖,顆粒層の肥厚,表皮突起の鋸歯状延長および真皮上層に帯状の単核細胞の浸潤を認め,組織学的に扁平苔癬と診断した.さらに,目や口の乾燥症状等の自覚症状がみられ,抗核抗体20倍,抗SS-A抗体陽性,口唇の生検等の精査の結果よりシェーグレン症候群の合併を認めた.本症例のように掌蹠および口腔内に限局する扁平苔癬は稀であり,その発症機序として自己免疫学的要因の関与も考えられ,興味深い症例として若干の文献的考察とともに報告する.
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