Japanese
English
短報
塩酸ビフェメラン与薬中,腹痛,嘔吐,粘血便などの消化器症状を示した痴呆の1例
A Case of Dementia Associated with Adbominal Pain, Vomiting and Mucobloody Stool during Administration of Bifemelane Hydrochloride
内海 晴美
1
,
上与那原 千賀子
1
,
仲俣 明夫
1
,
宮里 好一
1
,
国元 憲文
1
,
小椋 力
1
Harumi Utsumi
1
,
Chikako Ueyonabaru
1
,
Akio Nakamata
1
,
Yoshikazu Miyazato
1
,
Norifumi Kunimoto
1
,
Chikara Ogura
1
1琉球大学医学部精神神経科学講座
1Department of Neuropsychiatry, School of Medicine, University of the Ryukyus
pp.91-93
発行日 1991年1月15日
Published Date 1991/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902986
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■はじめに
塩酸ビフェメランは,わが国で開発された新しい脳機能・精神症状改善薬である。動物実験の結果から脳虚血等による神経伝達物質の代謝障害,神経細胞障害,神経症状,脳波異常などの改善が認められ,臨床的にも脳血管障害に基づく自発性の低下や感情障害に有効とされている。副作用としては,胃部不快感,食欲不振,胸やけ,嘔気,腹痛など消化器症状が報告され,副作用発現頻度は全体で8.7%であるが,そのうち消化器症状が7.7%を占めている1)。その他眠気,頭痛,倦怠感などの副作用も認められているが,いずれも重篤なものはなかったとされている1)。
今回,著者らは,塩酸ビフェメラン与薬16日目に下血を呈し,その発生原因に本薬物が関与している可能性が推測された症例を経験したので,その概略を報告する。
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