Japanese
English
短報
多飲による水中毒を呈したうつ病患者の1例
A Case of Depressive Disorder with Selfinduced Water Intoxication
田村 達辞
1
,
黒崎 充勇
1
,
高畑 紳一
1
,
加賀谷 有行
1
,
堀口 淳
1
,
山脇 成人
1
,
梶川 広樹
2
,
横田 則夫
3
Tatsuji TAMURA
1
,
Mistsuhaya KUROSAKI
1
,
Shin-ichi KOUHATA
1
,
Ariyuki KAGAYA
1
,
Jun HORIGUCHI
1
,
Shigeto YAMAWAKI
1
,
Hiroki KAJIKAWA
2
,
Norio YOKOTA
3
1広島大学医学部神経精神医学講座
2加計町国民健康保険病院
3広島県立保健福祉短期大学作業療法学科
1Department of Psychiatry and Neurosciences, Hiroshima University School of Medicine
2Kake Town National Health Insurance Hospital
3Hiroshima Prefectural College of Health and Welfare
キーワード:
Depressive disorder
,
Water intoxication
,
Polydipsia
Keyword:
Depressive disorder
,
Water intoxication
,
Polydipsia
pp.75-78
発行日 2000年1月15日
Published Date 2000/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902149
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はじめに
水中毒は本邦の精神病院入院患者の3〜4%に発生する2)といわれ,精神科臨床医にとっては比較的珍しくない病態といえる。また,精神科領域のほとんどの疾患でみられることが知られており,海外文献を含めた調査1)では水中毒報告例の約10%がうつ病患者であったと報告されている。しかし,本邦での水中毒報告例はほとんどが精神分裂病患者におけるものであり,うつ病患者における水中毒報告例は,我々が知りえたかぎりでは2例と極めて少なく,躁うつ病患者を含めても4例のみである3〜6)。今回,我々は入院加療中に水中毒を発病したうつ病患者の1例を経験したので,若干の考察を加えて報告する。
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