Japanese
English
特集 「難治例」の臨床—治療に難渋する時の診断,治療,そして予防
解離症—「難治例」の臨床
What is Intractability in Clinical Practice of Dissociative Disorders?
田中 究
1
Kiwamu Tanaka
1
1兵庫県立ひょうごこころの医療センター
1Prefectural Hyogo Mental Health Center, Hyogo, Japan
キーワード:
解離症
,
dissociative disorders
,
難治性要因
,
intractable factors
,
解離の保護的因子
,
protective factors of dissociation
Keyword:
解離症
,
dissociative disorders
,
難治性要因
,
intractable factors
,
解離の保護的因子
,
protective factors of dissociation
pp.1427-1433
発行日 2024年11月15日
Published Date 2024/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207420
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
抄録
解離症の難治を定義するのは困難であるが,解離症状の重篤さや遷延性,身体症状や精神症状などの併存症状の重篤性,社会的および職業的影響の深刻さ,治療終結の困難さがそれを示しているのであろう。その難治をもたらしているのは,解離自体の主体の保護作用であり,薬物療法の無効である。また,解離の治療は主体の思考と感情・感覚の分離の解消を目指すが,身体感覚の主体への統合を意図するアプローチは狭義の医学的治療・心理療法にはのりにくいことも1つの要因かもしれない。臨床家にできることは,解離症の背景にある患者の心的ストレスを理解し,その対処を患者が自分のものとするまで丁寧に一緒に考えていくことであろう。
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.