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特集 プレコンセプションケアの現状と課題
精神疾患を抱える女性へのプレコンセプションケア
Preconception care for women with mental illness
根本 清貴
1
Kiyotaka NEMOTO
1
1筑波大学医学医療系精神医学
キーワード:
プレコンセプションケア
,
先天異常
,
共同意思決定
Keyword:
プレコンセプションケア
,
先天異常
,
共同意思決定
pp.1107-1110
発行日 2024年9月28日
Published Date 2024/9/28
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290131107
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精神科におけるプレコンセプションケアでは,治療薬が妊娠・授乳にどのような影響を及ぼすかが話題になることが多い.抗精神病薬,抗うつ薬は,先天異常や児の発達に影響を与えないことが示されている.近年では,むしろ治療中断により精神症状が悪化することで児の早産や出生時低体重のリスクが上がることが知られており,やみくもに内服を中断しないよう伝えることは有意義である.気をつけるべき薬剤として,バルプロ酸と炭酸リチウムがある.バルプロ酸は先天異常のリスクを高め,児の発達にも影響を与えることから,妊娠可能性のある双極症患者には処方すべきでないと考えられる.炭酸リチウムも注意が必要であるが,600mg/日未満ではリスクが高まらないことが知られてきている.これらの事柄を患者・家族と共有し,将来の妊娠について話し合うことにより,安心して妊娠に臨むことができるであろう.
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