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特集 現代における解離—診断概念の変遷を踏まえ臨床的な理解を深める
転換・心因性という概念は消えてしまうのか?
Will Psychiatry lose the Concepts of Conversion or Psychologeric?
増尾 徳行
1
,
田中 究
1
Noriyuki Masuo
1
,
Kiwamu Tanaka
1
1兵庫県立ひょうごこころの医療センター
1Hyogo Prefectural Hyogo Mental Health Center, Hyogo, Japan
キーワード:
転換
,
conversion
,
心因性
,
psychogenic
,
心的プロセス
,
mental process
,
治療関係
,
therapeutic relation
Keyword:
転換
,
conversion
,
心因性
,
psychogenic
,
心的プロセス
,
mental process
,
治療関係
,
therapeutic relation
pp.1026-1032
発行日 2024年8月15日
Published Date 2024/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207351
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抄録
転換・心因性という概念の扱いについて,DSMと力動精神医学両方の歴史を素描した。前者は操作主義を導入することで,心的プロセスを診断基準から排除していった。後者は心的プロセスとして,今なお保持している。そして転移概念を支えることで,症状の病因論的説明を基礎づけようとする。ここには,臨床家の葛藤が現れているように思える。つまりどちらも,患者の症状形成へ治療者が寄与する事実を,消し去ろうとしているように思える。治療における関係性の現実を再考するよう私たちに促す点で,これらの概念は現代的意義を持つものと思われる.
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