Japanese
English
特集 精神疾患・精神症状にはどこまで脳器質的背景があるのか—現代の視点から見直す
てんかんにみられる精神症状の脳器質的背景
Organic Background of Psychiatric Symptoms in Epilepsy
吉野 相英
1
Aihide Yoshino
1
1防衛医科大学校精神科学講座
1Department of Psychiatry, National Defense Medical College, Saitama, Japan
キーワード:
Alzheimer病
,
Alzheimer's disease
,
Geschwind症候群
,
Geschwind syndrome
,
代償性抑制
,
compensatory inhibition
,
てんかん性脳症
,
epileptic encephalopathy
,
発作後精神症
,
postictal psychosis
Keyword:
Alzheimer病
,
Alzheimer's disease
,
Geschwind症候群
,
Geschwind syndrome
,
代償性抑制
,
compensatory inhibition
,
てんかん性脳症
,
epileptic encephalopathy
,
発作後精神症
,
postictal psychosis
pp.406-411
発行日 2024年4月15日
Published Date 2024/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207238
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抄録
てんかんにみられる精神症状に,てんかん性活動が関わっていることは間違いないだろう。とはいえ,てんかん性活動がどのような機序で精神症状に関与しているのかという問題となると不明な点が多い。てんかん性活動が直接関与しているだろうか。あるいは,てんかん性活動に対する代償性抑制メカニズムが関与しているだろうか。前者についてはGeschwind症候群などで仮説されてきた。後者については発作後精神症などの発症メカニズムとして想定され,部分的とはいえ,この考えを支持する知見も報告されている。てんかんを併発することが多いAlzheimer病では,てんかん性活動に対する代償性抑制によって認知機能低下が加速することが報告され,その神経基盤も明らかになりつつある。
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