Japanese
English
特集 精神疾患・精神症状にはどこまで脳器質的背景があるのか—現代の視点から見直す
高次脳機能障害の精神症状にみられる脳器質的背景
Local and Network Disturbances behind Psychiatric Symptoms Associated with Brain Injury
三村 悠
1
,
船山 道隆
2
Yu Mimura
1
,
Michitaka Funayama
2
1慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室
2足利赤十字病院神経精神科
1Department of Neuropsychiatry, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
2Department of Psychiatry, Ashikaga Redcross Hospital
キーワード:
神経心理
,
neuropsychology
,
精神症状
,
psychiatric symptoms
,
局在脳損傷
,
focal brain injury
,
病変ネットワークマッピング
,
lesion network mapping
Keyword:
神経心理
,
neuropsychology
,
精神症状
,
psychiatric symptoms
,
局在脳損傷
,
focal brain injury
,
病変ネットワークマッピング
,
lesion network mapping
pp.418-427
発行日 2024年4月15日
Published Date 2024/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207241
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抄録
高次脳機能障害には,主に注意・記憶・社会的行動・遂行機能の障害,失語,失行,失認などが含まれる。これらの症候は長年にわたる脳損傷報告例の蓄積から機能局在が検討されており,一定のコンセンサスが得られている。しかし,脳損傷症例で時折みられる精神症状,特にうつや妄想については局在を同定することは困難を極め,異なる病変が同様の症候を示すこともあれば,同一の病変が驚くほどに多彩な症候を呈することもある。これらの精神症状についてはネットワーク障害の観点からの解釈が試みられており,徐々にその理解が深まっている。本稿では局在論の歴史,概念,そして限界点に触れたうえで,現在のネットワーク論に基づく解釈から精神症状の理解がどこまで進んでいるかについてまとめる。
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