書評
—加藤忠史 著—双極症 第4版—病態の理解から治療戦略まで
川嵜 弘詔
1
1福岡大・精神医学
pp.228-229
発行日 2024年2月15日
Published Date 2024/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207201
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本書は,研究所から大学病院という臨床現場へ活躍の場を移された加藤忠史先生によって『双極性障害 第3版』に改訂を加えられたものである。最近,病名の改訂が検討されたDSM-5-TR,ICD-11に基づき,今回の改訂版のタイトルは『双極症 第4版』へ変更されている。「病態の理解から治療戦略まで」というサブタイトルにもあるように,本書の特筆すべき点は,双極症の歴史から疫学,症状と経過,診断,治療,生物学的研究における最近の知見に至るまで幅広く網羅していることである。
本書に含まれる膨大な情報量を目の前にすると,とても著者一人で一冊にまとめたとはにわかに信じ難いが,30年以上ひたむきに双極症の病態解明に取り組んできた著者にしかなし得ないことだと確信する。
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