Japanese
English
特集 性差と精神医学—なぜ頻度や重症度に差があるのか
脳における性差
Sex Differences in the human brain
山縣 文
1
Bun Yamagata
1
1慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室
1Keio University School of Medicine, Department of Neuropsychiatry, Tokyo, Japan
キーワード:
脳の性差
,
sex differences in the human brain
,
ターナー症候群
,
Turner syndrome
,
クラインフェルター症候群
,
Klinefelter syndrome
,
世代間伝達
,
intergenerational transmission
Keyword:
脳の性差
,
sex differences in the human brain
,
ターナー症候群
,
Turner syndrome
,
クラインフェルター症候群
,
Klinefelter syndrome
,
世代間伝達
,
intergenerational transmission
pp.24-31
発行日 2024年1月15日
Published Date 2024/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207165
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抄録
脳に性差はある。これは科学的事実である。進化の過程や性染色体,性ホルモン,胎内環境や出生後の生育環境が脳の性差へ影響していると言われている。しかしながら,どの要因がどの発達段階でどのくらいの重みをもって,脳の性差へ影響しているかは未解明のままである。ターナー症候群やクラインフェルター症候群といった性染色体異常を伴う疾患を対象とする研究や精神疾患の世代間伝達における性差の脳基盤を解明する研究はこの問題を解く鍵になるかもしれない。一方,脳の性差を考えるとき,男女間での多くの表現型の同等性についても考えることも重要である。
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