特集 内分泌疾患に伴う運動器障害
性腺機能低下症の筋・骨格系障害
浦野 友彦
1
1国際医療福祉大学医学部,老年病科
キーワード:
Turner syndrome
,
Late-onset hypogonadism
,
Testosterone replacement therapy
Keyword:
Turner syndrome
,
Late-onset hypogonadism
,
Testosterone replacement therapy
pp.1553-1558
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/se.0000000234
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要旨:骨粗鬆症発症の原因として閉経に伴う女性ホルモン(エストロゲン)の低下による骨吸収の亢進はよく知られており,自然閉経以外でもターナー症候群をはじめとした女性の性腺機能低下症は骨粗鬆症を誘発することが知られている。一方,男性における骨粗鬆症についてはあまり重要視されてこなかったが,本邦でも女性の980 万人に対し男性も300 万人が骨粗鬆症に罹患しているとされる。加齢に伴って,男性ホルモン(アンドロゲン)が徐々に低下し,骨量の低下を含む様々な症状を引き起こすLOH 症候群(加齢男性性腺機能低下症候群;late-onset hypogonadism)や,前立腺癌に対して行うアンドロゲン遮断療法(androgen-deprivation therapy;ADT)が引き起こす骨量の低下が注目されている。LOH 症候群においては近年,筋肉量の減少(サルコペニア)との関連も注目されている。このような男性の骨量の低下に対しても骨量コントロールの重要性が増している。
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