Japanese
English
特集 ひきこもりの理解と支援
発達障害とひきこもりに関連する社会的要因の検討
Examination of Social Factors Related to Developmental Disorders and Hikikomori
平生 尚之
1
Naoyuki Hirao
1
1ひょうご発達障害者支援センタークローバー加西ブランチ
1Kasai Branch, Hyogo Developmental Support center Clover, Hyogo, Japan
キーワード:
発達障害
,
developmental disorders
,
ひきこもり
,
Hikikomori
,
認知行動療法
,
cognitive behavior therapy
,
危機介入
,
crisis intervention
,
支援体制
,
support system
Keyword:
発達障害
,
developmental disorders
,
ひきこもり
,
Hikikomori
,
認知行動療法
,
cognitive behavior therapy
,
危機介入
,
crisis intervention
,
支援体制
,
support system
pp.1451-1456
発行日 2022年11月15日
Published Date 2022/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206773
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抄録 発達障害とひきこもりの関連について,筆者の所属する発達障害者支援センターの2005〜2022年現在までの18年間の相談70例を対象とし後方視的に調査した。その結果,介入前後を含め診断のある42例のうち38例で自閉症スペクトラム障害特性が認められ,相談傾向としては,「受け身群」46例と「暴力行為リスク群」24例とに分類された。前者においては,地域支援機関でのエビデンスに基づく介入や連携が求められ,後者では,認知行動療法に基づく介入により行動問題が低減もしくは消失した18例があったものの,危機介入が必要な事例も6例あった。危機介入時には,医療機関と保健所,警察,地域支援機関などの法的根拠に基づく連携が必須であり体制整備が急務であることが示唆された。
また,発達障害特性の発見と支援の遅れの社会的要因に対し,発達障害の検査の実施,通常級での予防的教育,自治体の体制整備,予防的研究について言及した。
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