Japanese
English
特集 わが国の若手による統合失調症研究最前線
カルボニルストレスと統合失調症
Carbonyl Stress and Schizophrenia
新井 誠
1
,
石田 裕昭
1
,
鳥海 和也
1
Makoto Arai
1
,
Hiroaki Ishida
1
,
Kazuya Toriumi
1
1東京都医学総合研究所精神行動医学研究分野統合失調症プロジェクト
1Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science, Department of Psychiatry and Behavioral Sciences, Schizophrenia Research Project, Tokyo, Japan
キーワード:
統合失調症
,
schizophrenia
,
終末糖化産物
,
advanced glycation end products
,
AGEs
,
カルボニル化合物
,
carbonyl compounds
,
ペントシジン
,
pentosidine
,
ビタミンB6
,
vitamin B6
Keyword:
統合失調症
,
schizophrenia
,
終末糖化産物
,
advanced glycation end products
,
AGEs
,
カルボニル化合物
,
carbonyl compounds
,
ペントシジン
,
pentosidine
,
ビタミンB6
,
vitamin B6
pp.425-434
発行日 2023年4月15日
Published Date 2023/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206890
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抄録
統合失調症は思春期から青年期に好発し,長期にわたり再発を繰り返すこともまれではなく,発症によって社会生活機能が低下するがゆえに,当事者のウェルビーイングやウェルエイジング促進のためにはより有効な治療や予防法,早期からの介入支援のあり方が希求されている。社会的な不利益や当事者のニーズが満たされないといった課題を解決するためにも,1つの方策として新たな分子に着目した病因や病態基盤の解明を推進し,基礎と臨床の多面的アプローチから社会への還元が不可欠である。
筆者らはこれまで,終末糖化産物(advanced glycation end products:AGEs)という分子に着目し,統合失調症の一部が「カルボニルストレス(AGEs蓄積)」の病態像を呈することを同定した。これを機に,その病態を模倣したモデル研究から分子基盤の一端を明らかにしつつある。本稿では,筆者らが推進してきた研究の成果を中心に紹介し,統合失調症の発症とその病態とのかかわり,今後の展望について私見を交えながら述べた。
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