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特集 死別にまつわる心理的苦痛—背景理論からケアおよびマネジメントまで
死別後うつ病,複雑性悲嘆に対する薬物療法のエビデンス
Evidence for Pharmacotherapy for Post-Bereavement Depression and Complicated Grief
阪本 亮
1
,
蓮尾 英明
2
Ryo Sakamoto
1
,
Hideaki Hasuo
2
1近畿大学医学部内科学教室心療内科部門
2関西医科大学心療内科学講座
1Department of Psychosomatic Medicine, Faculty of Medicine, Kindai University, Osakasayama, Japan
2Department of Psychosomatic Medicine, Kansai Medical University
キーワード:
死別
,
bereavement
,
うつ病
,
depression
,
複雑性悲嘆
,
complicated grief
,
薬物療法
,
pharmacotherapy
Keyword:
死別
,
bereavement
,
うつ病
,
depression
,
複雑性悲嘆
,
complicated grief
,
薬物療法
,
pharmacotherapy
pp.1655-1659
発行日 2022年12月15日
Published Date 2022/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206806
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抄録 愛する人との死別によって,遺族の一部に悲嘆をはじめとする心理的苦痛が生じる。心理的苦痛の疾患としてうつ病,複雑性悲嘆があり,積極的な治療・ケアが必要である。これらの疾患に対して薬物療法が一般的に行われているが,薬物の有効性について不明確な点が多い。実施したシステマティック・レビューでは質の高い研究は限られていた。死別後うつ病ではランダム化比較試験でのノルトリプチリンの有効性が示唆されたが,うつ病の特徴に言及されておらず,抗うつ薬の投与は個々の患者の状態に応じて判断する必要がある。複雑性悲嘆では,前後比較試験,ケースシリーズのみであるがエスシタロプラムの有効性が示唆された。
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