Japanese
English
特集 死別にまつわる心理的苦痛—背景理論からケアおよびマネジメントまで
家族・遺族の心理的苦痛に対する診療ガイドライン
Clinical Practice Guidelines for the Care of Psychologically Distressed Bereaved Families
松岡 弘道
1
Hiromichi Matsuoka
1
1国立がん研究センター中央病院精神腫瘍科
1Department of Psycho-Oncology, National Cancer Center Hospital, Tokyo, Japan
キーワード:
ガイドライン
,
clinical practice guidelines
,
遺族ケア
,
bereavement care
,
複雑性悲嘆
,
complicated grief
,
遷延性悲嘆症
,
prolonged grief disorder
,
うつ病
,
depression
Keyword:
ガイドライン
,
clinical practice guidelines
,
遺族ケア
,
bereavement care
,
複雑性悲嘆
,
complicated grief
,
遷延性悲嘆症
,
prolonged grief disorder
,
うつ病
,
depression
pp.1669-1675
発行日 2022年12月15日
Published Date 2022/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206808
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抄録 日本サイコオンコロジー学会と日本がんサポーティブケア学会の合同事業として,『遺族ケアガイドライン』を作成したので紹介する。
まず,本ガイドラインの大きな特徴は,総論,コラム,用語集が充実している点にある。これは,遺族の経験する心理状態や精神症状については,国際的にも考え方に差異が大きいため,現状を整理する必要が大きいと考えたためである。また,がんのみではエビデンスに乏しいことから,「がん等の身体疾患」とより広く対象を設定して作成しており,広く身体疾患の遺族ケアに役立てることが可能であろう。
臨床疑問としては,うつ病,複雑性悲嘆への非薬物療法,薬物療法について取り上げたが,薬物療法では,うつ病と複雑性悲嘆では推奨の方向が異なることに留意したい。
今後の課題は表にまとめたが,特に文化差の重要な本領域において,海外と比べても本邦独自のエビデンスに乏しい点は大きな課題であり,今後の研究が必要である。
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