Japanese
English
特集 死別にまつわる心理的苦痛—背景理論からケアおよびマネジメントまで
遷延性悲嘆症に対する認知行動療法
Cognitive Behavioral Therapy for Prolonged Grief Disorder
中島 聡美
1
,
伊藤 正哉
2
Satomi Nakajima
1
,
Masaya Ito
2
1武蔵野大学人間科学部
2国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター
1Faculty of Human Sciences, Musashino University, Tokyo, Japan
2National Center for Cognitive-Behavior Therapy and Research, National Center of Neurology and Psychiatry
キーワード:
遷延性悲嘆症
,
prolonged grief disorder
,
二重過程モデル
,
dual process model
,
認知行動療法
,
cognitive behavioral therapy
,
PGDT
,
prolonged grief disorder therapy
Keyword:
遷延性悲嘆症
,
prolonged grief disorder
,
二重過程モデル
,
dual process model
,
認知行動療法
,
cognitive behavioral therapy
,
PGDT
,
prolonged grief disorder therapy
pp.1661-1667
発行日 2022年12月15日
Published Date 2022/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206807
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抄録 急性期の悲嘆が長引き,心身に有害な影響をもたらし社会生活機能の障害が起こる状態は従来,複雑性悲嘆と呼ばれてきた。近年,ICD-11やDSM-5-TRの中で遷延性悲嘆症(prolonged grief disorder)として精神疾患に位置づけられ,診断基準が示されるようになったことで,今後は精神科医療でも治療の対象となっていくことが考えられる。遷延性悲嘆症の治療では,薬物療法では十分な有効性が示されておらず,複数のメタアナリシスで,心理療法,特に悲嘆に焦点化した認知行動療法の有効性が報告されている。本稿では,その中でも米国のShearらが開発したPGDT(prolonged grief disorder therapy)を紹介し,治療の目的,技法の意味などを通して,日本の精神医療における遷延性悲嘆症への支援や治療の導入につながることを期待するものである。
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