Japanese
English
特集 精神・神経疾患に併存する過眠の背景病態と治療マネジメント
特発性過眠症の診断を巡って
Idiopathic Hypersomnia and Other Somnolence Disorders
井上 雄一
1,2
Yuichi Inoue
1,2
1東京医科大学睡眠学講座
2睡眠総合ケアクリニック代々木
1Department of Somnology, Tokyo Medical University, Tokyo, Japan
2Yoyogi Sleep Disorder Center
キーワード:
特発性過眠症
,
idiopathic hypersomnia
,
IH
,
鑑別診断
,
differential diagnosis
,
長時間睡眠者
,
long sleeper
,
概日リズム睡眠障害
,
circadian rhythm disorder
Keyword:
特発性過眠症
,
idiopathic hypersomnia
,
IH
,
鑑別診断
,
differential diagnosis
,
長時間睡眠者
,
long sleeper
,
概日リズム睡眠障害
,
circadian rhythm disorder
pp.1327-1337
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206753
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抄録 古典的な特発性過眠症(IH)の典型例は,若年期に発症して長期間持続的に昼夜にわたる長時間睡眠と覚醒時の睡眠酩酊を呈する。IHは,治療薬となる精神刺激薬の反応性が低く高用量投与を余儀なくされることが少なくない。また,診療上重要なのは,長時間睡眠者,概日リズム睡眠障害,発達障害,気分障害の一部の症例で,IHときわめて類似した症状を呈する点である。これらを鑑別する上では,患者の症状経過,生活習慣,精神症状の評価を行うとともに,睡眠ポリグラフィ,反復睡眠潜時検査,アクチグラフィなどの検査を組み合わせて実施する必要がある。IHとこれらの周辺疾患の病態上の類似点と相違点を明らかにすることは,各疾患の理解と治療の向上につながるものと考えられる。
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