Japanese
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特集 学校で精神疾患を「自分のこと」として教育する
アットリスク支援の視点からみた学校精神疾患教育
Mental Health Education for Students: from the Point of View of Supporting At-risk State for Mental Illnesses
桂 雅宏
1
Masahiro Katsura
1
1こころの総合診療室Canal勾当台
1Canal Kotodai General Mental Clinic, Sendai, Japan
キーワード:
精神疾患教育
,
mental health education
,
予防精神医学
,
preventive psychiatry
,
アットリスク精神状態
,
at-risk mental state
,
早期介入
,
early intervention
Keyword:
精神疾患教育
,
mental health education
,
予防精神医学
,
preventive psychiatry
,
アットリスク精神状態
,
at-risk mental state
,
早期介入
,
early intervention
pp.1225-1232
発行日 2022年9月15日
Published Date 2022/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206736
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抄録 多くの精神疾患は人生の早期に始まるが,治療開始は遅れやすく,それが若者のQOLや予後に悪影響を及ぼす。そのため,精神疾患の早期発見・介入は若者を主な対象として発展してきた。当然,学校教育においてもノウハウの活用が期待される。とりわけ,この領域を牽引してきたアットリスク研究はエビデンスが豊富で,精神疾患の予防を理解するのに有用な枠組みを提供してくれる。しかし,その概念や活用法を理解するのは容易であるとは言い難く,学校教育にそのままの形で落とし込むことは困難で,誤用されないための注意も必要である。学校教育においては,精神疾患を予防し,発症後も未治療期間を長期化させないために,主だった精神疾患に対するリテラシーを高めること,専門家や医療機関への相談の障壁をなくすこと,スティグマ形成を予防すること,精神疾患全般に対する非特異的な効果が望める心理・環境要因,生活習慣などの改善を促進することが重要であると考えられる。
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