Japanese
English
特集 精神神経疾患の治療とQOL
強迫症治療とQOL
Quality of Life in the Treatment of Obsessive-compulsive Disorder
向井 馨一郎
1
,
松永 寿人
1
Keiichiro Mukai
1
,
Hisato Matsunaga
1
1兵庫医科大学精神科神経科学講座
1Department of Neuropsychiatry, Hyogo College of Medicine, Nishinomiya, Japan
キーワード:
生活の質
,
quality of life
,
QOL
,
強迫症
,
obsessive-compulsive disorder
,
OCD
,
大うつ病性障害
,
major depressive disorder
,
MDD
,
機能障害
,
functional impairment
Keyword:
生活の質
,
quality of life
,
QOL
,
強迫症
,
obsessive-compulsive disorder
,
OCD
,
大うつ病性障害
,
major depressive disorder
,
MDD
,
機能障害
,
functional impairment
pp.311-317
発行日 2022年3月15日
Published Date 2022/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206575
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
抄録 強迫症(obsessive compulsive disorder:OCD)は,WHOによって苦痛や負担の著しい10大疾病の1つに挙げられているが,強迫症状の内容や重症度のみならず,精神科的併存症やDUIなどさまざまな臨床的要因がQOLと密接に関連している。さらに巻き込み症状を介し,家族の社会的機能や健康,そしてQOLにも著しい影響を及ぼすものである。このため,QOLのアセスメントを治療的評価基準として捉え実施することは,複雑であるOCD患者個々の病理・病態のより多角的な理解を促し,社会的・日常的機能や家族関係などでの治療的変化を反映するより実際的なアウトカム指標として,治療の最適化,さらに再発予防の点からも有効となる。一方で,二次的アウトカムであるQOLを向上させるための方策に関して,残遺症状の把握や適切な対処,曝露反応妨害法以外のCBT技法の導入や,ソーシャルサポートなど社会資源の活用方法など,OCDを巡る臨床には,まだまだ解決すべき課題が多々残存していると考えている。
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.