強迫症における就労支援

Employment Support for Patient with Obsessive-compulsive Disorder

抄録

　強迫症は統合失調症圏内の患者に次いで就労に困難さがあると言われ，その困難さには強迫症状の重症度が関連している。さらに，特性として存在している認知機能障害も就労の困難さに影響を与えている可能性がある。就労を継続していくためには，就労中に強迫症状が出現しても，患者がそれを外在化し，認知行動療法的な対処を自身で行えるようになることが必要である。そのために治療では，認知行動モデルを用いた心理教育を繰り返し行い，患者が自分の症状の成り立ちを理解しておくことが重要である。