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特集 DSM-5からDSM-5-TRへ—何が変わったのか
強迫症及び関連症群—DSM-5-TRで何が変わったか
A review of information about Obsessive-Compulsive and Related Disorders revised in DSM-5-TR
松永 寿人
1
,
向井 馨一郎
1
Hisato Matsunaga
1
,
Kiichiro Mukai
1
1兵庫医科大学医学部精神科神経科学講座
1Department of Neuropsychiatry, Hyogo Medical University, Hyogo, Japan
キーワード:
DSM-5-TR
,
DSM-5
,
強迫症及び関連症群
,
obsessive-compulsive and related disorder
,
OCRD
,
強迫症
,
obsessive-compulsive disorder
,
OCD
Keyword:
DSM-5-TR
,
DSM-5
,
強迫症及び関連症群
,
obsessive-compulsive and related disorder
,
OCRD
,
強迫症
,
obsessive-compulsive disorder
,
OCD
pp.1376-1381
発行日 2023年10月15日
Published Date 2023/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207096
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抄録
DSM-5の改訂から10年が経ち,ここに新設された「強迫症及び関連症群(OCRD)」に関しても新たな知見の集積が進み,また臨床的に有用な情報に関するニーズが高まっている。これらを反映するため改訂されたDSM-5-TRにおいて,OCRDに新たに追記あるいは修正された事項を概説した。この中では,疫学データの改変に加え,自殺リスクや性差に関する記述が増し,この間になされた研究成果が示されている。さらに強迫症(OCD)における感覚現象や「巻き込み」症状の取り上げ,あるいは身体醜形症(BDD)の特定項目である筋肉醜形症に関してのより詳細な情報の追加など,臨床的有意性を高める工夫もなされている。ただOCRDに関する知見は,現時点でも決して十分とは言えず,例えば有効な治療法など今後さらに研究や臨床経験を重ねる中で,明らかにしていくべき課題がいまだ山積していることも明白である。
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