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特集 精神科におけるオンライン診療
米国における精神科オンライン診療の活用と実践
Current Telepsychiatry Practice in the USA
松木 隆志
1
Takashi Matsuki
1
1マウントサイナイ・アイカーン医科大学精神科
1Department of Psychiatry, Icahn School of Medicine at Mount Sinai, New York, USA
キーワード:
精神科オンライン診療
,
telepsychiatry
,
遠隔医療
,
telehealth
,
遠隔精神療法
,
telepsychotherapy
Keyword:
精神科オンライン診療
,
telepsychiatry
,
遠隔医療
,
telehealth
,
遠隔精神療法
,
telepsychotherapy
pp.187-195
発行日 2022年2月15日
Published Date 2022/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206557
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抄録 米国では,1996年にカリフォルニア州で初めて遠隔診療が対面診療と同等の医療行為として認可されて以降,すでに多くの州で遠隔診療が正式な診療手段として認可されていた。しかし,運用に対するさまざまな規制や医療保険制度上の問題から,爆発的に普及するまでには至っていなかった。ところが,コロナ禍をきっかけに時限措置として全米で遠隔診療に対する大幅な規制緩和が行われ,特に身体診察が不要な精神科領域ではその利用が急速に拡大,精神科外来診療の大半が遠隔診療によって提供されるようになった。コロナ禍に伴うメンタルヘルスケアのニーズ急増も相まって,精神科遠隔診療の利用は右肩上がりで拡大しつつある。遠隔診療は診療へのアクセスを容易にするという長所がある一方,精神科診療に重要な非言語的情報の伝達が困難であり,プライバシーの確保が困難であるという短所も顕在化してきた。コロナ禍収束後は対面・遠隔の長所を組み合わせたハイブリッド診療が主流になると予測される。
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