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特集 精神科におけるオンライン診療
精神科におけるオンライン診療のエビデンス
Evidence for Telemedicine in Psychiatry
岸本 泰士郎
1
,
木下 翔太郎
1
Taishiro Kishimoto
1
,
Shotaro Kinoshita
1
1慶應義塾大学医学部ヒルズ未来予防医療・ウェルネス共同研究講座
1Keio University School of Medicine, Hills Joint Research Laboratory for Future Preventive Medicine and Wellness, Tokyo, Japan
キーワード:
オンライン診療
,
telemedicine
,
精神科オンライン診療
,
telepsychiatry
,
根拠
,
evidence
Keyword:
オンライン診療
,
telemedicine
,
精神科オンライン診療
,
telepsychiatry
,
根拠
,
evidence
pp.147-155
発行日 2022年2月15日
Published Date 2022/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206553
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抄録 精神科における診察,診断,症状評価は互いの顔を見ながらの面接が中心となるため,オンライン診療が馴染みやすい診療領域である。スティグマが根強く残る精神科領域において,オンライン診療はアクセシビリティの向上や心理的抵抗の軽減などの点で有用である。筆者や共同研究者らのグループでは,本邦においてオンライン診療を用いた複数の臨床研究を行ってきた。認知機能検査の遠隔施行は対面の評価と高い一致度を示し,遠隔で施行した認知行動療法も治療効果が認められ患者の満足度も高かった。さらに,近年の研究では,オンライン診療における症状評価,治療の有効性,満足度,費用対効果について,対面診療と比べて遜色ない結果も多く報告されている。本稿では,こうした精神科におけるオンライン診療の有効性について,現時点でのエビデンスも交えながら考察していく。また,わが国におけるエビデンス確立に向けた取り組みとして,筆者らが行っているJ-PROTECT研究についても紹介する。
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