Japanese
English
特集 超高齢期の精神疾患
超高齢期の不安障害
Anxiety Disorders in the Oldest-old People
橋本 衛
1
Mamoru Hashimoto
1
1近畿大学医学部精神神経科学教室
1Department of Neuropsychiatry, Kindai University Faculty of Medicine, Osaka, Japan
キーワード:
不安障害/不安症
,
anxiety disorder
,
超高齢期
,
oldest-old
,
軽度認知障害
,
mild cognitive impairment
Keyword:
不安障害/不安症
,
anxiety disorder
,
超高齢期
,
oldest-old
,
軽度認知障害
,
mild cognitive impairment
pp.39-47
発行日 2022年1月15日
Published Date 2022/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206536
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抄録 不安障害は高齢者のメンタルヘルス上の,最も頻度が高い問題の一つである。高齢者の不安は,心理症状よりも身体愁訴が多く,典型的な不安障害の症候を呈しにくいことが特徴である。超高齢者の不安障害のリスク要因には,女性,うつ病や認知症の併存,親しい者との死別などのライフイベントなどがあり,これらはおおむね高齢者全般のリスク要因と共通している。一方超高齢者では,不安障害の有病率が前期高齢者よりも減少することが報告されている。そこには,超高齢者は元来身体的かつ精神的に健康な人達の多い集団であることや,疫学研究には健康な人達が優先的に参加することなどが影響している可能性がある。超高齢者では認知症が最大の合併症である。超高齢者が急増する本邦において,認知症恐怖への対応は,超高齢者のメンタルヘルスにおける重要な課題である。
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