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English
特集 超高齢期の精神疾患
超高齢期のうつ病
Depressive Disorders among the Oldest-old
馬場 元
1,2
Hajime Baba
1,2
1順天堂大学医学部附属順天堂越谷メンタルクリニック
2順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学
1Department of Psychiatry, Juntendo Koshigaya Hospital, Saitama, Japan
2Department of Psychiatry & Behavioral Science, Juntendo University Graduate School of Medicine
キーワード:
超高齢期
,
oldest-old
,
高齢
,
elderly
,
うつ病
,
depression
Keyword:
超高齢期
,
oldest-old
,
高齢
,
elderly
,
うつ病
,
depression
pp.31-38
発行日 2022年1月15日
Published Date 2022/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206535
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抄録 超高齢期のうつ病は,一般的な高齢期のうつ病とは器質的,心理・社会的要因に違いがあるため,それらを考慮した対応が求められる。一方,高齢者の脳機能や心理,社会的役割などの若返りが指摘されており,これまで示されていた高齢期におけるうつ病の要因や対応が現代の比較的若い高齢患者にはマッチしなくなりつつある。こうした背景からも超高齢期のうつ病に対する対応は,これまでの一般的な高齢者を対象とした対応に準じ,心理・社会的アプローチを基本として,必要に応じて薬物療法などを検討していくこととなる。脳血管障害をはじめとする器質的要因とそれによる認知・思考の柔軟性の低下,そして喪失体験に代表される心理・社会的要因などさまざまな要因が背景にあることを念頭においた丁寧かつ慎重な対応が求められる。
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