Japanese
English
特集 精神科臨床における共同意思決定(SDM)
認知症の人の意思決定支援
Decision-Making Support for People with Dementia
樋山 雅美
1
,
成本 迅
1
Masami Hiyama
1
,
Jin Narumoto
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科精神機能病態学
1Department of Psychiatry, Graduate School of Medical Science, Kyoto Prefectural University of Medicine, Kyoto, Japan
キーワード:
医療同意能力
,
medical consent capacity
,
認知機能障害
,
cognitive impairment
,
心理行動症状
,
behavioral and psychological symptoms
,
共同意思決定
,
shared decision making
,
SDM
,
意思決定支援
,
decision making support
Keyword:
医療同意能力
,
medical consent capacity
,
認知機能障害
,
cognitive impairment
,
心理行動症状
,
behavioral and psychological symptoms
,
共同意思決定
,
shared decision making
,
SDM
,
意思決定支援
,
decision making support
pp.1343-1349
発行日 2020年10月15日
Published Date 2020/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206197
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抄録 認知症の人は,注意機能や記憶機能,実行機能の低下といった認知機能障害の影響により,治療に関する説明を十分に把握できなかったり,自らの意思を正確に伝えることが難しかったりする場合が多い。また,不安やうつといった精神症状も判断を歪める原因となる。そのため,本人の同意や意向のみに頼った意思決定が,必ずしも最善の治療選択になるとは言い切れない。治療選択の場面においては,医療者と本人,家族などを含めた双方向の情報共有・意見交換を行い,本人の意向を丁寧に汲み取ることが必要であり,共同意思決定(shared decision making:SDM)の観点や意思決定支援ガイドラインが参考になる。意思決定支援においては,認知機能の低下に対応したコミュニケーションに加えて,高齢者の心理的特徴や本人と家族の関係性に対する配慮も必要であり,精神科医の専門性を活かした積極的なかかわりが求められる。
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