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特集 認知症診療における精神科医の役割を再考する
BPSDに対する薬物治療up to date—J-CATIA 研究とAPAガイドラインからみえたBPSD治療の問題点
Pharmacotherapy on BPSD Up to Date:Points of pharmacotherapy on BPSD from the view of J-CATIA Study and APA guideline
中村 祐
1
Yu Nakamura
1
1香川大学医学部精神神経医学講座
1Department of Neuropsychiatry, Faculty of Medicine, Kagawa University, Kagawa, Japan
キーワード:
抗精神病薬
,
anti-psychotic drugs
,
認知症
,
dementia
,
適応外使用
,
off label use
,
認知症の行動・心理症状
,
behavioral and psychological symptoms of dementia
,
BPSD
,
向精神薬
,
psychotropic drug
Keyword:
抗精神病薬
,
anti-psychotic drugs
,
認知症
,
dementia
,
適応外使用
,
off label use
,
認知症の行動・心理症状
,
behavioral and psychological symptoms of dementia
,
BPSD
,
向精神薬
,
psychotropic drug
pp.1161-1172
発行日 2021年8月15日
Published Date 2021/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206420
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抄録 BPSDに対して抗精神病薬などの向精神薬を使用することには「適応外使用」の問題がある。新オレンジプランでは,BPSDに対しては非薬物的介入を優先すべきとしている。実地臨床においてBPSDに対する抗精神病薬のリスクについての検討が必要なことから,大規模前向き研究であるJ-CATIA研究が行われた。この研究の結果から,抗精神病薬をやむを得ずBPSDに使用する場合には,開始直後には頻回の診察が必要であることが判明した。また,APAガイドラインは,J-CATIA研究の結果と齟齬はない。ガイドラインでは,説明を行った上で同意を取得し,少量から開始することも重要としている。しかし,実地の医療と法的なものには大きな乖離があり,今後,BPSDを適応として有する薬剤の登場が切望される。
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