Japanese
English
特集 認知症診療における精神科医の役割を再考する
非薬物療法によるBPSDの予防・治療
Prevention and Treatment of Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia with Non-pharmacological Therapies
數井 裕光
1
Hiroaki Kazui
1
1高知大学医学部神経精神科学講座
1Department of Neuropsychiatry, Kochi Medical School, Kochi University, Kochi, Japan
キーワード:
認知症の行動・心理症状
,
behavioral and psychological symptoms of dementia
,
BPSD
,
非薬物療法
,
non-pharmacological therapy
,
予防
,
prevention
,
介護者
,
caregiver
,
行動マネジメント技術
,
behavioural management techniques
Keyword:
認知症の行動・心理症状
,
behavioral and psychological symptoms of dementia
,
BPSD
,
非薬物療法
,
non-pharmacological therapy
,
予防
,
prevention
,
介護者
,
caregiver
,
行動マネジメント技術
,
behavioural management techniques
pp.1151-1160
発行日 2021年8月15日
Published Date 2021/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206419
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抄録 認知症の行動・心理症状(BPSD)は,攻撃的行動,焦燥,徘徊,つきまとい,不安,抑うつ,幻覚,妄想などの認知症患者に頻繁にみられる知覚,思考内容,気分または行動の障害を包括した概念である。BPSDの中には治療,予防が可能なものが多くあることが臨床的に重要な点で,非薬物療法が薬物療法に優先して行われる。中でも家族介護者による行動マネジメント技術の習得は有用な方法である。まず,BPSDは,認知症の原因疾患による脳機能低下,認知機能低下を基本として,日常生活の中で失敗を繰り返すことによる不安と緊張を常に感じている心理状態,さらに周囲の人による叱責などがさまざまに影響して出現することを理解して,適切な対応法を実践することが重要である。またBPSDがごく軽度の段階で気付き,重症化を防ぐことも重要である。介護サービスの利用はBPSDの治療と予防に役立つ現実的な方法だと考えられる。
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