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早期変形性膝関節症の有病率は肥満を有する中年女性で高い
-――新たな国際診断基準を用いた一般住民での大規模調査
Early knee osteoarthritis prevalence is highest among middle-aged adult females with obesity based on new set of diagnostic criteria from a large sample cohort study in the Japanese general population
佐々木 英嗣
1
,
太田 聖也
1
,
千葉 大輔
1
,
山本 祐司
1
,
津田 英一
2
,
石橋 恭之
1
E. Sasaki
1
,
S. Ota
1
,
D. Chiba
1
,
Y. Yamamoto
1
,
E. Tsuda
2
,
Y. Ishibashi
1
1弘前大学大学院整形外科
2弘前大学大学院リハビリテーション医学講座
1Dept. of Orthop. Surg., Hirosaki University Graduate School of Medicine, Hirosaki
キーワード:
early knee OA
,
prevalence
,
risk factor
,
epidemiology
Keyword:
early knee OA
,
prevalence
,
risk factor
,
epidemiology
pp.1013-1016
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_1013
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【要 旨】
目 的:変形性膝関節症(膝OA)への早期予防的介入を目指して,早期膝OAの国際的診断基準が新たに提唱されたが,その有病率や危険因子,身体機能の特徴などについては不明である.本調査では日本人を対象とした疫学研究から一般住民における早期膝OAの有病率と危険因子を明らかにすることを目的とした.
対象および方法:対象は地域住民健診に参加した一般住民1,104(男性443,女性661)名とした.両膝立位X線をKellgren-Lawrence(K-L)gradeで分類し,grade 0/1,KOOSの下位尺度で85%未満が2項目以上,関節裂隙圧痛あるいは轢音をもって早期OAと診断した.早期OAの有病率を性・年代別に算出し,回帰分析を用いて危険因子の抽出を行った.
結 果:822例がK-L grade 0/1であり,男性の9.5%,女性の15.0%が新診断基準での早期膝OAに該当した.進行期OAは男女ともに加齢とともに増加し,早期OAは女性の50~59歳群でもっとも高い有病率を示した.回帰分析から早期膝OAの危険因子は年齢,女性,BMI高値,膝外傷歴であった.
結 論:早期膝OAの有病率は50~59歳女性でもっとも高値を示した.早期膝OAの危険因子は女性,加齢,肥満,膝外傷歴であり,進行期膝OAと同様の特徴を示した.
© Nankodo Co., Ltd., 2021