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特集 精神科臨床における共同意思決定(SDM)
精神障害者の身体合併症医療における医療同意の考え方—倫理の観点から
Medical Consent in the Care for Physical Complications of Mentally ILL Patients:From an ethical point of view
桑原 達郎
1
,
滝上 紘之
2
Tatsuro Kuwahara
1
,
Hiroyuki Takiue
2
1国家公務員共済組合連合会立川病院精神神経科
2慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室
1Department of Neuropsychiatry, KKR Tachikawa Hospital, Tokyo, Japan
2Department of Neuropsychiatry, Keio University
キーワード:
医療倫理
,
clinical ethics
,
インフォームド・コンセント
,
informed consent
,
代諾
,
representative
Keyword:
医療倫理
,
clinical ethics
,
インフォームド・コンセント
,
informed consent
,
代諾
,
representative
pp.1351-1358
発行日 2020年10月15日
Published Date 2020/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206198
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抄録 精神科の臨床現場では,身体合併症に対する医療行為を遂行するにあたって,患者の同意が得られないことが数多い。その類型を,①医療行為に同意する患者,②医療行為に同意しないが,拒否もしない患者,③医療行為を積極的に拒否する患者,の3つに分け,それぞれについて倫理的な考察を加えた。わが国においては,法的代諾者の制度が存在せず,血縁を代諾者とする慣習が根強いが,それを補完する形での日本弁護士連合会の提言と現状に沿った対処法を述べた。さらに,個別に倫理的検討が必要な場合に,わが国では普及途上にある臨床倫理コンサルテーションが有用であることを述べ,立川病院で臨床倫理コンサルテーションの下に検討が行われた症例を提示した。
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