Japanese
English
特集 精神科診断分類の背景にある考え方
精神科診断におけるスペクトラム概念
The Spectrum Concept in Psychiatric Diagnosis
黒木 俊秀
1
Toshihide Kuroki
1
1九州大学大学院人間環境学研究院
1Graduate School of Human-Environment Studies, Kyushu University, Fukuoka, Japan
キーワード:
カテゴリー
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category
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ディメンション
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dimension
,
タキソメトリック分析
,
taxometric analysis
,
内在化・外在化障害群
,
internalizing and externalizing disorders
,
HiTOP
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,
タキソメトリック分析
,
taxometric analysis
,
内在化・外在化障害群
,
internalizing and externalizing disorders
,
HiTOP
pp.867-874
発行日 2020年6月15日
Published Date 2020/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206123
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抄録 近年の遺伝学や神経画像の成果により,DSM-Ⅲ以来の精神疾患のカテゴリー的定義は疑問視されるようになり,代わりにスペクトラム概念が注目されるようになった。タキソメトリック分析のような計量心理学の進歩は,ほとんどの精神疾患とパーソナリティ障害が正常機能と連続している可能性を示唆している。また,大規模な疫学調査のデータ解析により精神疾患全体の2因子(内在化・外在化)構造が明らかになった。これらの知見は,DSM-5の開発に影響を与え,精神病理症状の階層的スペクトラムにより構成されるHiTOPのモデルが提唱されている。しかし,こうしたスペクトラム概念の臨床的有用性に関してはなお検討を待つ必要がある。
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