増大号特集 精神科診療のエビデンス—国内外の重要ガイドライン解説
第6章 パーソナリティ障害
①境界性パーソナリティ障害
Borderline personality disorder: recognition and management (NICE clinical guideline, CG78)
林 直樹
1
Naoki Hayashi
1
1帝京大学医学部精神神経科学講座
1Department of Psychiatry, Teikyo University School of Medicine, Tokyo, Japan
pp.596-600
発行日 2020年5月15日
Published Date 2020/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206078
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ガイドラインのポイント
・ガイドラインの目的は,BPDの成人,BPD症状を示す若年者,学習障害(learning disability)とBPDを持つ人に対して治療の供給,各種サービスの提示,効果的な臨床的管理を実施することである(学習障害があれば,学習障害サービスチームの専門家にコンサルテーションを行うべきであり,学習障害が中等度以上ならBPDの診断は避けるべきだとされる)。
・BPDの特性から,治療を提供する英国の国民保健サービス(National Health Service:NHS)と他のサービスとの効果的な連携と全体の統括・管理が重視される。
・Quality Adjusted Life Years(QALYs)といった指標を使って経済的効果の評価が行われている。
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.